災害が増加しているだけでなく、年々猛暑が続いている夏。
エアコンなどの電化製品がなければ生活できない今の時期に、もし災害が発生して停電が続いたらどうしよう。停電時に私たちが直面する困難と、それに伴うリスクから、必要となる停電対策を考えます。
停電時にすぐに役立つ防災グッズや、電気が使えない状況でも普段と変わらずに過ごすための防災グッズを紹介します。
停電時でも落ち着いて行動できるように、避難所への避難だけでなく、在宅避難を視野に入れた停電対策を準備しましょう。
夏に停電が起きた時は…
熱い夏に発生する停電に備えるためには、日頃からどのような準備が必要なのでしょうか。
家庭での工夫や避難所での生活をより安全にするためのポイントを詳しく掘り下げていきます。
また、停電時の避難時にすべき具体的な対策について考えてみましょう。
災害時に困ること
全国の20~60代の700名を対象に防災意識と防災行動について調査し、大規模災害を経験した219名に「被災時に困ったこと」を聞いたところ、主に以下の3点が挙げられました。
電気・ガスが使えない
情報が届かない
食料品・飲料不足
また、被災経験のない481名に聞いたところ、上記3点の困ったことに加え、衛生状態に対する不安もありました。これは、新型コロナウイルスへの感染やインフルエンザなどの流行病感染のリスクを鑑みた影響かもしれません。
夏に停電が起きたら…
温度や温度の上昇に伴う熱中症リスクの増加
停電によりエアコンなど空調機器が使えなくなると、室温と湿度が上昇します。
特に夏の停電時は熱中症を引き起こしやすい危険な状態になります。熱中症は重症化すれば命に関わるため、早めに対策して予防する必要があります。
また、子供やお年寄りは体が弱いため、一刻も早い暑さ対策が求められます。
停電による断水で水が使えなくなる
水道水の供給には少なからず電気が使われているため、停電時には断水が発生することが多くあります。夏の暑い時期に十分な水分補給ができないと、脱水症状を経て熱中症になることがあり、非常に危険です。
冷蔵庫・冷凍庫が使えなくなる
停電になると冷蔵庫も動かなくなり、冷凍庫の保冷剤や氷も使用できなくなります。さらに冷蔵庫や冷凍庫内の食材も徐々に常温に戻ってしまうため、これもリスクとなります。
真夏の避難所は環境が悪化する可能性がある
真夏の避難所の暑さは、過去の災害でも深刻な問題となっています。自治体の対策は進んでいますが、まだ空調機械のない体育館などの避難所も多く存在します。人口密集した避難所では、皮膚表面からの放熱や汗の蒸発、呼気などで暑熱環境が悪化します。
避難に備える
在宅避難でも、避難所への避難でも停電に備えて、準備をしておきましょう。
冷蔵庫や電子レンジなどの家電製品の使えない状況を想定して調理手段などを備える
水だけで加熱できるヒートパックや、加熱しないでも食べられる非常食などを準備しましょう。
防災もしもで紹介した加熱しないでそのまま食べられる非常食はこちら
停電による給水ポンプの停止などによる断水に備える
家族の人数×1週間分(1人1日3L)の飲料水はもちろん、給水タンクなど水を入れられる容器の準備も必要です。
また、水を使用しない非常用トイレや衛生用品などもあると便利です。
リビングや寝室などに懐中電灯や足元灯を備える
夜間に停電になった場合、出口がわからなくなったり、床の段差やガラスの破片が見えないなど、とても危険です。懐中電灯と足元灯とを兼ね、停電や地震が起きた時に自動的に点灯するタイプを備えておくことも有効です。また、足元灯の設置が難しい場所などには、蓄光テープなども効果的です。
蓄電システムの準備
「V2H蓄電システム」を導入することで、夏場の災害時や長期停電時でも、慣れ親しんだ自宅で安心して「在宅避難」をすることが可能になります。
V2Hは「Vehicle to Home」の略で、日本語に訳すと「車(Vehicle)から家(home)へ」という意味です。電気自動車に蓄えられた電力を、家でも使えるように変換するシステムを指します。
V2H蓄電システムがあれば、照明やテレビ、スマホなどの情報通信機器はもちろん、夏場の在宅避難に必要となるエアコンや冷蔵庫などの家電も使用することができます。さらに、太陽光発電や電気自動車(EV・PHV)と組み合わせることで、一週間以上の長期間にわたる停電時でも普段に近い生活をおくることが可能です。
冷蔵庫 | エアコン | 扇風機 | スマホ×2台 | LED照明 | 液晶テレビ | |
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使用時間 | 24h | 24h | 12h | 4h | 5h | 6h |
1日当たりの消費電力 | 3,840W | 4,800W | 240W | 120W | 250W | 600W |
1日の合計消費電力 | 約9,850W |
POWER iE Connect(6.4kWh) + 日産リーフ(40kWh)の場合、電力を使用できる時間…
46,400Wh ÷ 9,850W = 約4.7日
これに太陽光発電(5kWの場合、1日の発電量目安 約13.7kWh)を併用することで1週間以上の停電にも対応可能。
まとめ
停電による不便さや、それに伴う様々な困りごとは、私たちの生活に大きな影響を与えるものです。特に、暑い季節においては熱中症のリスクが高まり、冷蔵庫や冷凍庫の停止による食料保存の問題も深刻です。このような状況に対処するためには、事前の準備が欠かせません。断水に備えたり、非常用の調理手段を確保したりすることが重要です。
また、避難所への避難だけでなく、在宅避難の可能性についても考慮する必要があります。蓄電システムや懐中電灯の準備はもちろん、非常用持ち出し袋に携帯用バッテリーなどを入れておきましょう。
この記事を参考に、一人一人が備えを進めることで、災害時の不安を少しでも軽減できることを願っています。